カウンセリングセミナー 基本コース2018

 カウンセリングセミナー 基本コース2018

定員に達したため締め切らせていただきました(2017年12月)。
たくさんのお申し込みありがとうございました。

現場を持つ専門職としてカウンセリング・ケースワークを学び直す

リーフレット(PDF)

2018 案内リーフレットA4版 6枚:セミナーの概要・参加資格・申込方法・日程・会場案内・講義内容などが記載されています。
以下、このページの本文にその要約を載せています。

 

 セミナーの概要

Ⅰ.正しい見立てを作るための<見立て8型メソッド>のうちの基本 4 型を学びます

医療・保健・福祉・カウンセリングの現場で、治療やカウンセリング、ケースワークがうまく進まない時、その原因のほとんどは、「見立て」の誤りにあります。「見立て」とはクライアントの悩みの本質を分類することです。
うつ病を例にして考えてみます。多くのうつ病は成人期の心理的葛藤を土台にして発病します。つまり、「きちんと仕事をしなければならない」(社会的義務の遂行)、←→「でも、もう頑張れない」(本音)、という葛藤です。
この場合の見立ては、
①クライアントは以前から成人期の心理的葛藤を抱えていたが、今回、
②労働条件の変化や大きなライフイベントの発生により葛藤が強まり発病した、です。

治療は、 ②のうつ病に対して休養と抗うつ薬の服用、①の成人期葛藤に対して精神療法(認知行動療法やカウンセリングなど)を行います。薬物治療を行っただけの場合、葛藤が未解決でうつ病の再発リスクが残ります。

本講座では、正しい見立てを作るための < 見立ての基本4型 >(4分類 ) を学びます。次の4つです。

定型心理発達
1. 成人期の葛藤とその精神症状       (うつ病・アルコール依存症)
2. 思春期の葛藤とその精神症状・行動化   (親子間葛藤=反抗期を軸に)
非定型心理発達
3. 被虐待者「異邦人」の葛藤とその精神症状(反復性うつ病・解離性障害)
精神障害の心理発達
4. 軽度知的能力障害・境界知能とその不適応問題

この見立ての基本4型によって、臨床現場で出会う事例のほぼ 90% の正確な見立てを作ることができます。

再び、うつ病を例に考えると、
2. 思春期の葛藤を土台にしたうつ病があります。この場合、うつ症状は非定型的(神経症性うつ病・軽症うつ病・「新型うつ病」)となって、抗うつ薬はあまり効きません。症状の土台は母子葛藤であるため、そこにフォーカスした精神療法が必要になります。また、
3. 被虐待者「異邦人」の抱えるうつ病は、典型的には「燃え尽き症候群」となり、標準的なうつ病治療法を修正して適用する必要があります。

Ⅱ.以下の2つの視点から精神療法・カウンセリング・ケースワークの理論と実践を学び直します

(1) 従来の治療方法を見直します。多くの治療・ケースワークの理論はクライアントが定型的な心理発達を遂げていること(平均的な親に育てられた=成人期)を暗黙の前提として構築されています。しかし、現場の事例は、心理発達が非定型的であること(親に精神障害があったなど)のほうが多く、従来の理論をそのまま当てはめて治療、ケースワークを進めてもうまくいきません。見立ての基本4型を土台にしてより正確な「見立て」を作ります。

(2) 精神医学の診断内容を見直します。現在の医学的診断は操作的診断が中心で、心理発達段階や家族関係はあまり考慮されていません。このために治療者は、医学的判断に基づく治療指針と心理発達課題に基づく治療指針とを別々に持つことになり、混乱が見られます。見立ての4型を土台にして正しい疾病理解をできるようにします。

講師 高橋和巳 野口洋一
カウンセリング・ケースワークの正確な見立ての作り方を学びます – 講義12 時間
正確な見立てに必須の精神医学の知識を学びます – 講義6 時間
見立ての基本型4つを逐語録で演習します – 事例詳解- 演習18 時間
日時 全6回 奇数月の日曜日 午前10時~午後5時 講義3 時間 + 演習3 時間
場所 飯田橋レインボービル JR 飯田橋駅 西口6 分 ・ 地下鉄飯田橋駅B3 出口5分

 受講のご案内

基本コースの日程と申し込み方法

カウンセリングセミナーには、(1)基本コースと (2)上級コースの2つがあります。
この案内は、基本コースの案内です。(※上級コースは基本コースの修了者が受講出来ます)
日時と場所

■ 日程 奇数月の日曜日(全6回)
①1月21日(日)   ②3月18日(日)   ③5月20日(日)
④7月22日(日)   ⑤9月16日(日)   ⑥11月18日( 日)
■ 時間 午前10時~午後5時     講義3時間(午前) + 演習3時間(午後)
昼食:教室内で飲食ができます。ただし、ゴミは各自お持ち帰りください。
■ 場所 飯田橋レインボービル 1F C+D 会議室
JR飯田橋駅 西口 徒歩6分 / 地下鉄飯田橋駅 B3 出口 徒歩5分

 参加資格

カウンセリング、ケースワーク、医療、保健、福祉、介護、教育、他の相談業務などに関わる専門職の方。
(2017年までのセミナーに参加された方はそのまま継続して参加資格があります)

1. 医師・保健師・看護師・精神保健福祉士・社会福祉士・介護福祉士・臨床心理士・産業カウンセラー等、専門資格(公的資格、民間資格を問いません)をお持ちで、守秘義務を十分に理解する方。

2. 医学系・心理系・福祉系などの専門学校、大学の学生の場合は事務局で個別の許可を得てください。
守秘義務についての説明をさせていただきます。

定員  100名

原則として通年(全6回)参加です。定員に余裕がある場合に限りスポット参加を受け付けます。

参加費用

全6 回(合計)
一般    50,000 円 *分割可(25,000×2 回・・・1 回目:12 月 / 2 回目:6 月)
学生割引  35,000 円 *分割可(17,500×2 回・・・1 回目:12 月 / 2 回目:6 月)
(学生割引の対象者は、主たる日常活動を学業においている方とします)
スポット参加   10,000 円 / 1 回

支払方法:申込受付時にお知らせする指定口座にお振込みください。
入金された参加費はお返しすることができませんのでご承知おきください。
また、通年参加が前提のため、後半のキャンセルは受け付けません

申し込み方法

①氏名(ふりがな)、 ②郵便番号・住所、 ③電話番号、 ④E-mail address ( 携帯address も可/ 事務局addressからのメールを受信できるように設定をしてください)、 ⑤所属機関、 ⑥資格を明記の上、E-mail にてお申し込みください。E-mail が無い方はFAX で受け付けます。
分割/ 学割をご希望の方はその旨を明記してください。

申込受付期間 : 2017年10月20日~ ※締め切りました

 時間割

講義と演習  「4つの基本型」を理解し、正しく見立てる

講義:10:00~13:00  演習:14:00~17:00

1. 1月21日(日)

 1 見立ての基本4型を学ぶ 10:00~13:00 講師:高橋
 1 見立て8型と3つの基準
心理発達段階と倫理規範
愛着と愛着障害
脳機能障害
2 エリクソンの心理発達理論

2「見立て」の実際 14:00~17:00 講師:野口
1 正確な見立てを作る傾聴技法
2 見立ての実際
相談経路から始める評価
3 基本4型の重要性
実践データから

2. 3月18日(日)

 3 定型心理発達 ①成人期 10:00~13:00 講師:高橋・野口
1  成人期葛藤の見立てとカウンセリング基本技法
2  成人期の精神疾患と治癒過程
うつ病、パニック障害、アルコール依存症など

演習I. 14:00~17:00 講師:野口
成人期事例のカウンセリング
1  成人期葛藤を見極める
2  成人期葛藤が傾聴によって解決し、症状が治癒する過程を理解する

3. 5月20日(日)

 4 定型心理発達 ②思春期 10:00~13:00 講師:高橋・野口
1 思春期葛藤の見立てとカウンセリング変形技法
2 思春期の精神疾患と治癒過程
摂食障害、引きこもり、薬物乱用など

演習II. 14:00~17:00 講師:高橋
思春期事例のカウンセリング
1 思春期葛藤と親子関係を見極める
2 親へのアプローチ、子へのアプローチを理解する

4. 7月22日(日)

 5 発達障害・「軽度」知的能力障害 10:00~13:00 講師:高橋・野口
1 発達障害の心理、行動、不適応問題を理解する
2 発達障害の分類と知的能力障害、境界知能の理解
3 児童虐待との関係

演習III. 14:00~17:00 講師:野口
軽度知的能力障害のカウンセリング
1 軽度知的能力障害~境界知能の領域を見極める
2 鑑別のための質問技法を理解する

5. 9月16日(日)

 6 非定型心理発達 被虐待者「異邦人」 10:00~13:00 講師:高橋・野口
1 「異邦人」の心理発達過程とカウンセリング変形技法
2 「異邦人」の精神疾患と治癒過程
反応性愛着障害、解離性障害、非定型的うつ病、摂食障害など

演習IV. 14:00~17:00 講師:高橋
「異邦人」事例のカウンセリング
1 変則的な母子関係の評価方法を理解する
2 能動的受容の必要性とその介入技法を理解する

6. 11月18日(日)

演習V. 10:00~13:00 講師:高橋・野口
予告なしの事例・応用演習

演習VI. 14:00~17:00 講師:高橋・野口
予告なしの事例・応用演習

 講義・演習内容

「4つの基本型」を理解するための知識と演習

 カウンセリング講義・精神医学講義

Ⅰ.正しい見立てを作るために必要な理論を整理します

A. 心理発達段階の理解:見立ての縦断軸です。幼児期→学童期→思春期→成人期の発達段階のうち、基本コースでは思春期と成人期を中心に取りあげます。各心理発達段階には、それを特徴づける倫理規範「A. 生き方の指針」があり、それと「B. 実際の生き方」との葛藤が発達の課題です。各段階で直面する葛藤を理解し、それを乗り越えていく過程をたどります。

B. 心因性精神障害( 神経症) の理解:見立ての横断軸(1) です。各発達段階で直面する心理的な葛藤が深刻になり、解決までに大きな困難が伴うようになると、身体化症状(学童期)、行動化( 思春期)、精神症状( 成人期) が生じます。各段階に特徴的な葛藤とそこから生まれる症状の関係を精神医学的視点から解説します。

C. 脳疾患・器質性精神障害の理解:見立ての横断軸(2) です。正しい見立てを作るために理解しなければならない脳疾患を二つ取り上げます。第一は発達障害の中で一番多い「軽度」知的能力障害、第二は代表的な精神障害である統合失調症です。基本コースではこのうち「軽度」知的能力障害について詳しく学びます。(統合失調症は上級コースで講義)

D. 家族システムの理解:家族内の葛藤は両親のかかえている葛藤や精神障害を軸に、子の葛藤と精神障害の組み合わせから説明できます。基本4型では、夫婦なら理論的には4型×4型=16の組み合わせが考えられますが、実際は配偶者選択の動機によって起こりやすい組み合わせが決まり、その元で育つ子の障害の有無で、家族システムが理解できます。

Ⅱ.定型心理発達と関連する精神疾患の理解を深めます

定型心理発達とは、「普通の」母子相互関係を基盤にした心理発達で、多くの発達理論が暗黙の前提としてきたものです。

1.成人期心理と関連する精神疾患
成人期は、激しく揺れ動く思春期を越えて達成される安定期ですが、その入り口である成人I 期では、原家族から引き継いだ問題が一部未解決のまま残り、真の安定期である成人II 期に到達するにはこれらを解決しなければなりません。この段階で発生しやすい精神障害は、うつ病(大うつ病・中等度以上)、パニック障害、アルコール依存症などで、その詳しい発生メカニズムを学びます。また、この時期のカウンセリングは、受動中立性に立脚した「傾聴の技法」が中心になります。なぜ傾聴によって、成人期葛藤が解決して症状が軽快していくのか、その仕組みを成人期の葛藤構造から理解します。

2.思春期心理と関連する精神疾患
思春期の激しい心的葛藤は、現実的は親子間の対立(緊張・暴言・暴力=行動化)となってさまざまな問題を引き起こします。子が発する問題は、親に自らの生き方を内省させ、修正を迫り、親も子と一緒に揺れますが、親子間葛藤による精神的混乱は子の側により強く生じ、不登校・引きこもりや摂食障害、薬物乱用などに表れます。実際の治療では、子が専門機関を訪れることは希で、親のカウンセリングが中心になります。カウンセリングでは親を正しく見立て(4型)、親子間葛藤が解決される道筋を作っていきます。受動中立性に立脚した傾聴技法だけでは不十分で、変法が必要になります。

Ⅲ.非定型心理発達と関連する精神疾患の理解を深めます

非定型心理発達とは、母親に発達障害や精神障害があるために「普通の」母子相互関係=「愛着関係」を持てないままに育った人の心理発達です。セミナーでは仮に「異邦人」と呼んでいます。母親に発達障害や精神障害があると、子は多かれ少なかれ虐待(ネグレクトは必発で、状況により身体的、心理的、性的虐待が加わります)を受けてしまうことになります。したがって、非定型心理発達(=「異邦人」) は被虐待児の心理発達です。

「異邦人」(=被虐待者) は幼少期から生理的、心理的な欲求を十分に満たされないままに成長します。生理的欲求の充足が少ないと「存在」のリアリティーが希薄になり、心理的欲求の充足が不十分だと(社会的)「自我」を確立することができません。孤立と不安の中で通常の幼児期→学童期→思春期という心理発達をたどることなく、思春期を経ずに成人期に到ります。困難の中で生き延び、身につけた厳しい体験の様式がどのような症状に出て、どう語られるかを講義で示します。

関連する精神疾患は、反応性愛着障害、反復性の非定型的うつ病( 燃え尽き症候群)、解離性障害、非定型的な摂食障害、パニック障害、不眠などです。虐待の痛みに耐え、情緒的な相互交流の体験に乏しいクライアントには、受動中立性を守る傾聴カウンセリングだけでは不十分で、カウンセラーが能動性を発揮して深い受容を作り出すことが必要です。

 事例詳解・演習(I~VI)

演習Ⅰから演習Ⅳは、見立て基本4型を典型的に示す実際のカウンセリングの逐語録を提示します。それを一語一語詳しく解析しながら、どの段階で、見立てができあがり、その見立てに沿った解決が実際にどのように展開していくかを詳しく解説します。演習Ⅴ、演習Ⅵでは予告なしに事例を提示します。

 講師紹介

高橋 和巳氏

■精神科医 医学博士 1953年生
■風の木クリニック院長(千代田区・麹町) http://www.kazenoki.jp/

慶應義塾大学文学部を中退、福島県立医科大学を卒業後、東京医科歯科大学にて睡眠脳波・大脳生理学・脳機能マッピング等の脳科学研究を行った。長く都立松沢病院に勤めて統合失調症などの精神科一般の診療の他、精神科救急やアルコール専門外来、家庭内暴力・拒食症・引きこもり等の家族問題に関わってきた。同院精神科医長を退職後は2004 年に風の木クリニックを開業し診療を続けている。また、カウンセラーの教育にも熱心でスーパーヴィジョンを行っている。

著書に、『「母と子」という病』(ちくま新書)、『消えたい』、『子は親を救うために「心の病」になる』、『人は変われる』(ちくま文庫)、『新しく生きる』(三五館)、『私は悪い子?』(学習研究社)、『本当のうつ病』( 佼成出版社) など多数がある。

野口 洋一氏

■心理カウンセラー 精神保健福祉士 1961年生
■あさくさばしファミリーカウンセリングルーム室長(台東区・浅草橋) http://www.asakusabashi.net/

早稲田大学、明治学院大学卒業。心理学、精神保健学、ソーシャルワーク等を学ぶ。

栃木県立岡本台病院、大石クリニックに精神科ソーシャルワーカーとして勤務し、主に嗜癖関連問題、家族関係問題に取り組む。その後は1998 年4 月にあさくさばしファミリーカウンセリングルームを開設し、現在に至る。上記の他、引きこもりや摂食障害など思春期の問題や悩み、うつや育児不安など大人のメンタルヘルスに至る幅広い分野でカウンセリングを行っている。また、カウンセラーのスーパーヴィジョンも実施している。

その他、現在、都立精神保健福祉センターにてアルコール関連問題助言者、教育プログラム講師、東京都北区、江戸川区、大田区その他各区の保健センターにて嗜癖問題、母子保健の相談、事例検討会助言者など、公的相談事業にも出務している。

 セミナー参加者のプロフィール

2013 年~2017 年の5 年間のカウンセリングセミナー基本コースの参加者は計505 名でした。参加者のプロフィール(資格と所属)を下記に紹介します。